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泉美木蘭
2016.2.16 04:50

不屈の人・小澤征爾さん

グラミー賞受賞、はじめてだったのか。
小澤征爾さんって、『不屈の人』というイメージがぴったりで、
テレビに登場すると自然と注目している自分がいます。
がん摘出しても、腰を骨折しても、肺炎になっても、
何度でも復帰して、物凄い気迫でタクトを振るう。
オーケストラの背後から、小澤征爾さんの表情をとらえる映像を
見ていたら、ただ視聴してるだけなのに、なんだか魂に点火されて
めらめらぼーぼー燃やされてるような気分になりました。

私の母は、若いころから小澤征爾さんの大ファンで、
あるコンサートホールでは、演奏後にステージ下から花束を渡そうと、
自分で花束を作って準備していたのだけど、あいにく、席が遠くて
タイミングを逃してしまった、と。
で、仕方なく、帰り際に受付の方に託そうとしたところ、
たくさんの花束がぞんざいに積み上げられているのを見てしまい、
せっかくの気持ちをあんな風に扱われるのは嫌だ、と思ったそうで・・・

直接お渡ししたいので、楽屋に通してください」

「どちらさまでしょう? 一般の方をお通しすることは・・・」


「オザワです!」

・・・大昔の話とはいえ、娘として恥ずかしい・・・。
小澤でも小沢でも尾沢でもない泉美の母は、「オザワ」と名乗り切り、
そして、あまりにも堂々と「オザワ」と名乗ってしまったので、
受付の方はびっくりしてしまい、そのまま楽屋に案内されて入っちゃった、と。
『寄り切りの人』、うちの母・・・・。

楽屋では、リラックスして着流し姿になった小澤征爾さんがおられ、
花束を持って笑顔で入ってきた母を見るなり、
誰だっけ、忘れちゃったよ参ったなあ、と思われたのでしょう、
いきなり、

「やあ、久しぶりだねえ! 元気だったかい!?」

と、笑顔で母を抱きしめてくださり、母の作った花束をべた褒めしながら
受け取ってくださったのだそうです。
これが、神対応。
申し訳ありません&有り難いことでございます。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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